我流運転技術

我流度がかなり高いので、あくまで“参考”です(笑)。


 車をいかに速く走らせるか・・・
 その昔、某タイヤメーカーのCMにありましたね。「車を最後に止まらせるのはタイヤです」ってやつ。タイヤが地面に接しているのは、わずか葉書4枚分の面積(タイや1本当たりの設置面積がおよそ葉書1枚分なので、車1台で葉書4枚分)・・・これだけの面積で、タイヤは車を止まらせているって能書きでしたっけ。
 あのCMで言っていたことは、まさにその通りで、車を速く走らせることも同じ。葉書4枚分の面積のタイヤと路面間の摩擦力を、いかに有効活用させてやるかではないかと思います。

 運転技術について書こうと思っても、はっきり言って何から書いていいのかわからないのですが、思い付いたことから書いていこうと思います。初心者には、ちょっとは参考になるかな(笑)?


超基礎編

●ドライビングポジション

 どんなスポーツでもそうですが、適切な体の姿勢ってのがあるはずです。
 野球でもサッカーでもバスケでも・・・試合中の選手たちは、次にどのようなプレイに入るか分からないような状況にありながらも、あらゆるプレイに瞬時に対応できるような姿勢で構えているはずです。
 車の運転も同じです。基本的に動き易い姿勢でいることは当然ですが、更に車が自分が思っていなかった挙動に陥ろうとも、とっさの判断であらゆるパターンの操作が出来るように、最も適切な姿勢で構えていることが必要です。
 様々な文献にも書かれていますが、ステアリングの最上部を握った時に腕が軽く曲がり、またクラッチペダルを奥まで踏み込んだ時に膝が軽く曲がるくらいが、最も適切なポジションであると言われています。あとは微調整を施して、自分が最も操作し易いポジションを見つけてやるといいでしょう。

●ステアリングワーク

 よくロック・トゥ・ロックの練習が大事だと言われるように、ステアリングを素早く回すことももちろん大事ですが、いつでも瞬時の判断で思った方向にステアリングを切り込むことが出来るよう、適切な握り方で構えていることが必要です。
 それが出来ていなければ、とっさの判断で「あともうちょっと左に切り込みたい」と思った時に、既にそれ以上切り込めないような握り方をしていたのでは、ステアリング操作が追い付かずクラッシュしてしまうというような危険性もあります」。
 ステアリングの回し方については、色々な文献にて紹介されていますので、試してみて下さい。

私の場合は、例えば右に切り込む場合は次の手順です。

@10時10分の位置で握った状態(教習所でも習うポジションですね)
A右手が左手のそばまで迎えに行く
Bそのまま右手のみで右に切り込む(左手は添えるだけ)
C右手で目一杯切り込んだ後は左手のみで切り込み、右手は左手よりも左側を掴みに行く
D右手で更にロックまで切り込む

  

この手順であれば、右に切り込んでいる最中に、とっさに左に戻してやりたいと思っても、すぐに対応出来ると思います。

●ブレーキング

 まずはタイヤがロックする感覚を身に付けることだと思います。
 最近増えてきたABS付の車はタイヤがロックしないようになっていますが、モータースポーツユース向けにラインナップされている車にはABSは装着されていませんので、ブレーキペダルを力一杯ガツンと踏み付けてやると、当然タイヤはロックします。
 タイヤと路面の摩擦力には限界がありますから、力いっぱい踏み付けてやらなくても、ある程度の力で踏みつけてやると、タイヤはロックします。丁度この境目の、ロックする寸前の状態が、タイヤが止まることに全性能を発揮している状態です。この状態で静動力をかけてやることを、"フルブレーキング"といいます。ブレーキングの上達には、まずこの感覚を身に付けることが必要です。
 私の場合は、人気の無い工業団地や港、広い駐車場などで、何度も練習しました。
 まずは特定の場所でフルブレーキングの感覚を身に付けること、次に別の場所(路面)でのフルブレーキングの感覚を身に付けるといいでしょう。
 滑りやすい路面ほど、またダートのように状態が一定ではない路面ほど、フルブレーキングは難しいと思います。そういう路面では、ついついペダルへの踏力を書けすぎ、フロントタイヤがロックして車が止まらずにまっすぐ進んでしまいがちになるので、ロック直前の状態を維持する能力を身に付けることが重要です。

●パワーバンド

 車に限らず、エンジンにはパワーバンドと呼ばれる、最も力の出る回転域があります。
 車のカタログには、エンジン特性のグラフが必ず書かれていますし、仕様一覧表の最大トルクや最大出力の表示には、必ずそのトルク・出力が発揮される回転数も書き添えられています。
 一般的に、最大トルクが発揮される回転数と最大出力が発揮される回転数の間の回転数を常に維持して走ると、そのエンジンの持つ性能をフルに発揮できると言われています。それには、適切なギヤ、車速、ホイルスピン量を維持することが必要です。
 現在の全日本ダートトライアルのA2クラスでは、出場している車のほとんど全てがシビックタイプR(EK9)となっており、以前の主力車であったミラージュRS(CJ4A)は少数派となっています。これは、シビックの方がミラージュに比べて、最大トルク・最大出力が勝っているからです。しかし、関東地区戦やそれ以下のレベルのイベントでは、未だにミラージュが活躍しています。
 これは、シビックとミラージュのパワーバンドの違いによる傾向です。シビックタイプRはミラージュRSに比べて最大トルク・最大出力が勝りながらも、パワーバンドが狭いからです。
全日本出場選手のようにな上級レベルの選手になると、狭いパワーバンドでもその回転域を維持して走ることができます。対照的に中級以下の選手にとっては、常に狭いパワーバンドを維持して走ることは困難ですし、更に途中で大きな失敗をしでかすこともしばしばあります。
 中級以下の選手にとっては、途中で回転数を落としてパワーバンドを外してしまった場合、パワーバンドが広く低回転から力の出るミラージュのエンジンの方が有利だったりするのです。
 A4クラスでインプレッサよりもランサーの方が中級以下の選手に好まれる理由も、同じ所にあります。但しこの場合は、ランサーの信頼性の高さ(インプレッサに比べて壊れにくい)も大いに影響していますが・・・
 このように、自分の車のエンジン特性を理解して走ることだけでなく、自分のレベルやスタイルにあったエンジン特性の車種を選択することも重要です。

●アクセルワーク&ヒール・アンド・トゥ

 車の挙動を乱さない運転技術も重要です。例えば、アクセルを急激に戻したり、低いギヤに変速してそのままクラッチを繋ぐと、車の挙動が乱れることがあります。
 車の姿勢が乱れると、減速やコーナリングのための車の姿勢を維持することが出来なくなり、場合によっては非常に危険な状態に陥ります。そうならない為に、減速やコーナリング中にも車の姿勢を一定に保つことが出来る技術を身に付けること必要です。
 コーナリング中に一定のアクセル開度を維持することや、シフトダウン時に適切なエンジン回転数に合わせ、クラッチをつなぐ練習が効果的です。
 シフトダウン時のテクニックとして、ヒール・アンド・トゥは必須です。これはフットブレーキでの減速中にシフトダウンする際、クラッチをつなぐ前に右足のつま先でフットブレーキを踏んだまま、かかとでアクセルを煽り、適正な回転数でクラッチをつなぐ技術です。
 慣れないうちは、ついついブレーキを踏むつま先の力が入り過ぎることが多いので、最初は安全な場所で練習すると良いでしょう。

ヒール&トウ(3速→2速の例)

@右足でブレーキを踏んで減速開始
      

A左足でクラッチを切り、その直後に右足のかかとでアクセルを踏んで、
 シフトダウンに備えエンジン回転数を上げる(ブレーキは踏み続ける)
      
B3速→2速にシフトダウン
      
Cクラッチをつなぎ、そのまま減速を続ける
      

●荷重移動

 ブレーキをかけると車は前のめりになり、コーナリング中は車は横に傾き、加速すると後ろが沈む格好になります。
 コーナリングする時は、それに最も適した車の姿勢というものがあります。例えば直線でフルブレーキングを行い、次にブレーキを緩めながらもある程度静動力を残した状態で適度な前荷重を残したままステアリングと切り込んでいくと、一定速度でステアリングを切り込むよりもフロントタイヤの踏ん張りが効き、速くコーナーに進入することが出来ます。しかし、前荷重を残しすぎると、フロントタイヤがコーナリングのための余力が無くなって滑り出したり、後ろの荷重が抜けすぎる為にリアタイヤが滑り出したりします。
 このような荷重移動のコントロールはモータースポーツでは重要で、ステアリングを切って曲がるというよりも、荷重移動によって車を曲げるという感覚です。
アクセルを開けた時、ブレーキを踏んだ時、ステアリングを切り込んだ時などに、車の荷重がどこに偏っているのか、またその荷重の移動により車はどう動こうとするのか、その感覚を養うことが重要です。

●スタート・加速

 タイヤの特性や路面の状態により、スタート時に最も適したホイルスピン量があります。
 エンジンのパワーバンドを外さないように走ることが重要なので、路面の状況に応じて上手くアクセルワーク・クラッチワークを行う必要があります。
 ダート走行のように、ある程度のホイルスピンを維持しながら加速していく場合は、エンジンが吹け切っても車速が乗っておらず、すぐにシフトアップするとエンジン回転数が低下し、加速が鈍る場合があります。このような場合はエンジンが吹け切っても、そのままレブリミッターが作動したままの状態でアクセルを踏み続けても車は加速を続けるので、ある程度の車速に達してからシフトアップしてやらなくてはなりません。適正なシフトアップのタイミングを掴むことが必要です。

基礎編

●ターンイン

 荷重移動の項で書いたように、適度なブレーキの残し具合でコーナーに進入することで、コーナーへの進入スピードを上げることが出来ます。
タイヤを滑らせるテクニックの前に、この感覚を身に付けることが非常に重要です。

●ドリフト

 コーナーのきつさや路面の状態によっては、普通にタイヤのグリップ状態を維持しながら走るよりも、故意にリアタイヤを滑らせて早めに車の向きを変え、アクセルを全開に出来る直線を長く取ってやった方が速く走れる場合があります。
 そのような走り方をする際、何らかの方法によってリアタイヤを滑らせる為のきっかけを与え、更にその後のタイヤの滑り量をコントロールしてやる必要があります。
 リアタイヤを滑らせるきっかけを与える方法には、以下のものがあります。

・ブレーキングドリフト
 フットブレーキにより荷重をフロントに残してコーナーに進入することにより、荷重が抜けたリアを流すことが出来ます。この状態をブレーキングドリフトと言います。
・タックイン
 加速した状態からアクセルを抜くと、エンジンブレーキがかかりフロントに過重が偏ります。この効果によってリアを流すことが出来ます。
・慣性ドリフト
 高速コーナーで有効ですが、車速が高めの状態でステアリングを切り込むと、その際の荷重移動(慣性の力)によりリアを流すことが出来ます。
・サイドブレーキ
 サイドブレーキはほとんどの車種はリアに利く為、サイドブレーキを引くことによって、リアを流すことが出来ます。

 状況によって、これらを複合的に使いこなすことも必要です。
 更にリアタイヤを滑らせた後、その滑り量をコントロールする為の方法は、駆動方式によって変わってきます。

・FF車・FF寄りセッティングの4WD車
 リアが滑りながらも、アクセルを踏み込むとフロントタイヤが外に逃げようとします(アンダーステア)。この動きと複合させて車の滑り量をコントロールし、適切なラインに乗せてやることができます。
・リア駆動車・リア駆動寄りセッティングの4WD車
 アクセルを踏み込むと、リアタイヤが外に逃げようとし、車はコーナーの内側に向こうとします。この動きを利用して滑り量をコントロールし、適切なラインに乗せることができます。

 これ以外には駆動方式に関係なく、ドリフト中にブレーキを踏むと更にリアタイヤが流れ、またリアタイヤが流れ過ぎた場合は、カウンターステア(逆ハンドル)により車の向きを修正出来るので、これらを複合させて、車を適切なラインに乗せることが必要です。
 一般的には、フロントタイヤが真っ直ぐ前を向いた状態、或いは軽くコーナーの内側に切り込まれた状態が最も速いドリフトと言われています。車を横に流し過ぎると、タイヤの性能が横方向のグリップに奪われ、前に進むことが出来なくなり大きなタイムロスにつながるので、注意が必要です。

●ライン取り

 基本的には、極力直線的に走った方が速いと言われています。確かに、直線的に走るほどアクセルは長く開けていられるし、それほど減速もせずにすみます。
 しかし、コーナーはそれ一つではなく、その前後にもいくつものコーナーが続いているわけですから、前後のコーナーとの関係も考慮する必要があります。
 また路面の状態を見て、ラインを選ばなくてはならない場合もあります。
 それらから総合的に判断して、直線的なラインを取るか、それとも最短距離のラインを取るか、それとも最もコーナー脱出後の直線を長く取れるラインを取るか、或いはそれらとは全く異なるラインを取るか、判断する必要があります。
 慣熟歩行で、どのラインを取るか考えておきましょう。

その他

●振り回すことも大切

 車をあまり滑らせすぎるとタイムロスにつながることは前述しましたが、初めのうちは、思いっきり車を振り回してみることが大切です。そうすることで、ドリフトコントロールを覚えることが出来ます。
 振り回す運転をしてしばらく走っていると、振り回し過ぎると非常に遅いということに気が付いてきます。そこで、どの程度振り回すのが一番速いか、試行錯誤を繰り返しながら探ることによって、上達していくことが出来ます。

●まずはパイロンコースで・・・

 いきなり丸和オートランド那須のようなハイスピードコースを走ることはお勧めしません。
 基礎的な練習(低速のパイロンスラロームやフルターン)を集中して行うには適していないし、何よりハイスピードですから、クラッシュした時のダメージはかなり大きくなります。
 最初は、オートランド千葉第2コースのような、広場にパイロンを立てて走るコースがいいでしょう。
 超基礎編で述べたようなことが一通り出来るようになったら、まずはこのようなコースに出向いて、取り敢えず車を振り回してみることです。
 パイロンコースなら、コースアウトしてもパイロンを吹っ飛ばすくらいなので、車へのダメージは皆無に等しいです。スラローム・フルターンなどで、荷重移動を覚えることが大事です。
 まずはとにかく、低速で思うように車を滑らせられるようになること、荷重移動を覚えてステアリングに頼った(ステアリングをこじった)運転にならないよう練習することです。ステアリングをこじった運転は、FFや4WDの場合はタイムロスになるだけでなく、ドライブシャフトの折損にもつながります。

●コースが出来ているダートラ場へ・・・

 パイロンコースである程度のことが出来るようになれば、オートランド千葉第1コースのような、低速で、かつコースが出来ているダートラ場で練習するのが良いでしょう。
 コースになっているダートラ場では、パイロンコースと違ってコースの幅が限られ、更にアップダウンがあったり、ブラインドコーナーがあったりと、各コーナーが変化に富んでいます。このようなコースで、様々な状況に対応する技術を身に付けることが重要です。コースアウトすると土手に激突する怖さはありますが、パイロンコースでドリフトコントロールをある程度身に付けておけば、さほど気にはならないはずです。

●高速コースへ・・・

 低速コースに慣れたら、次は丸和オートランド那須のような高速コースに行くと良いでしょう。
 基本は低速コースを走るのと同じですが、スピードが高い分運転はシビアになります。

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