「同時多発テロ」について考えた


 9月11日の「同時多発テロ」の映像を見て、みんなは何を 考えただろうか。私自身は口から心臓が出るほどの驚きと「戦争になるな…」とか「ジェノバの記憶も一緒に吹っ飛ばされるな」 などの「評論」が胸に去来したのが、当初の「感覚」だった。
 次に思ったのは「何人死ぬんだ、これ…」「ビルの瓦礫に生き残ってる人は…」「やっぱ、乗客降ろさないで突入しただろうな〜」などの思い。そして、すぐに流された「テロに歓喜するパレスチナ人」の映像。当然、歓喜した人はいるだろうが、パレスチナ自治政府自体は相当困るだろうな…、と思っていたら、アラファト議長はすぐにインタビューでテロへの非難を口にしていた。またアラファトは「アメリカの負傷者のために私は献血するし、パレスチナ人にも献血を呼びかける」と語った。
 当初、テロの犯人への怒りを感じることはなかった。「やりすぎだ」とは思ったが…。しかし、ビルに取り残された人々の写真、炎上するビルから、また突入寸前の飛行機から留守番電話に残された犠牲者たちのメッセージ、それらは「さっきまで生きていた人間が有無も言わさず抹殺された」証明だった。
 ビルが崩落したニューヨークの「グランド・ゼロ」も、パレスチナとおなじようにアメリカ自身がつくりだした廃墟だ。しかし、少し想像力を働かせれば、多くのパレスチナ人はあのテロに困惑し、また自分の身近にあるような廃墟がニューヨークに出現したことを悲しむだろうと思い至るとも思うのだ。パレスチナの女性団体の声明を参照してほしい。
http://www1.jca.apc.org/aml/200109/23956.html
 社民党の議員が自分のHPで「アメリカのしてきたことを考えれば、ざまーみろと思っている人々だっている」と書いて物議をかもした。この発言は撤回して謝罪しているので、しつこく追及する気はないが、しかし、アメリカの犠牲者だけでなく、「報復」によってさらに困難に落し入れられるであろう人々に想像力が
働かなかった点も批判されてしかるべきだ。そして、抑圧されているからこそ、他者の悲劇に同情をよせられる「人間性」を冒涜している点も…(右翼に追及されて簡単に撤回してしまったのもややカッコ悪いが…)。
 私は6千名以上の生命を一瞬に奪ったテロとテロリストを憎む。そして、当初の予感通りに始まった戦争にアメリカとともにテロリストたちも責任を負っている。
 ともに運動する仲間のなかには、「あのテロは支持しないが、テロ自体はアラブのアメリカ人民への『突きつけ』だと思う」という意見をいくつか聞いた。そもそも、テロ犯をアメリカが指摘する「ビンラディン・グループ」かどうか、断言できるのか疑問だが、そうだとしても「ビンラディン・グループ」は、アメリカ自身に育成され、「反ユダヤ主義」を掲げるネオ・ナチのような連中だ。
 また、「突きつけ」を言う人々は「炭そ菌」については「あれは反則だし、犯人はアメリカの右翼では?」などと言ったりする。それって自分の「政治」に都合のいいストーリーを作り出しているだけなのではないか、と疑問を持たざるをえない。「無差別テロ」の質においても「犯人不詳」の点においても、この二つに違いはないのではないか。
 しかし、それでもテロ、そして今回の戦争の根本的な責任はアメリカにある、と言わなければならないと考えている。
 イスラエルというテロでしか維持できない国家を作りだし、支援してきたのはアメリカではないか。「ビンラディン」や「タリバン」を作りだし、自らの中東戦略に利用してきたのはアメリカではないか。
 また、「炭そ菌」の犯人の可能性があるといわれるアメリカの極右にしても、アメリカ自身の人種差別の影であり、資本主義の人間疎外の結果生み出されたカルト集団だ。
 そのアメリカが、今戦争を行っている。
 ニュースで「タリバン兵」を暗視スコープで確認し、爆撃するシーンが映し出された。タリバン兵だけを確認する暗視スコープをアメリカは開発したのだろうか?そんなはずはなく、多くの一般市民が犠牲になっている。これがアメリカの無差別テロに対する回答なのだ。
 このようにアメリカが撒き散らしてきた憎悪が「9・11」を生み出し、また今回第二、第三の「9・11」の火種をアメリカがアフガンに落していったと言えるのではないか。
 私は「犠牲者」を追悼しない。追悼なるものを行うには、帝国主義の犠牲者は膨大すぎて、私の想像力は追いつかない。しかし、悲しい。歴史上のありとあらゆる理不尽な死を悲しみたい。追悼という儀式で私の悲しみを表現することは出来ないのだ。
 そして、怒る。人間の精神と肉体を侮辱するものすべてに対して。差別と殺戮をシステム化するこの社会体制に対して。人間の死を追悼する人々すら組織して戦争を行う権力者たちに対して。
テロという手段が私の怒りを代弁することなどない。サミットを30万人で包囲したジェノバの闘いのような、私自身の参加する世界の人々の憤激による行動によってしか、この怒りを癒すことなどできないのだ。
 戦争を必然とする、この資本主義という社会体制を変えること!私たちの回答はこれしかないのではないだろうか。


WAR&RACISM are not the ANSWER!
RESIST&REVOLUTION are the ANSWER!

(純ちゃん)

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